心頭滅却すれど火は熱し

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「地方都市で原付二種を乗り回す」という現実的なスローライフの提案

 都会、特に東京に住んでいる人にとっては、都会の生活はせかせかしすぎていて、人間性や人生の意義を感じられないという事もあるでしょう。じゃあ田舎で「スローライフ」をすればいいじゃないか、という事になりますが、田舎も田舎で意外と住みにくい場所です。

 

 それならば、都会の非人間性から離れられて、なおかつ田舎の住みにくさからも離れた場所だと、「本当のスローライフ」を満喫できるのではないか、というのがこの記事の趣旨です。そしてその場所として、地方都市、その中でも駅近ワンルームが3万円程度で借りられる地方都市が適当なのではないか、という話をしていきます。ただ、留意点としては、この地方都市でのスローライフをするには独身者であるか、よほど肝の据わった配偶者がいるか、という条件が付いてきます。

 

 

田舎が住みにくい理由

スローライフ」というと、田舎でののんびりした暮らしをイメージするのが一般的です。とはいっても、田舎というのは住みにくい場所だ、ということも一般的に知られています。

 

 田舎といっても色々と程度はあるのですが、「スローライフ」で想定されているのは、人口数千人から数万人程度で、田園風景が広がる「農村」といった感じの場所でしょう。そのような田舎はよそ者として見物するにはのどかでいかにも住みやすい場所なのですが、実際に住んでみるとかなり「暮らしにくい」という問題があります。

 

 田舎の共同体の濃密さは、都会で生まれ育った人間には想像もつきませんし、極度に人好きな性格ではない限りは耐えられるものではありません。そもそも都会生まれ都会育ちの人間の大半は、「生活基盤を共同体に頼る」という経験をしたことがありません。労働力を市場で売却し、生活品を市場で購入し、場合によっては共同体への参加すらも市場を介して行ってきた都会の人間にとっては、共同体が重要な生活基盤となる「田舎」の生活は、想像もつかなければ耐えられるものでもないのです。

 

 田舎を「人と人のつながりがある、暖かい場所」と考えるのは、共同体が100%の善意で成り立っていると錯覚した都会人の妄想の産物です。学校のクラスのような小規模な共同体であっても、善意ではなくむしろ悪意と損得勘定がうずまくえげつない場所です。そして田舎の共同体というのは、住人にとっては生活基盤そのものであって、さらにえげつない損得勘定が働く場所になります。そんな場所に共同体初心者の都会人が乗り込むというのは、無謀にもほどがあるわけです。

 

 「田舎出身の素朴な主人公が都会で大恥をかき、その上他人に迷惑をかける」というのはフィクションにありがちな話です。ただ、都会はそのような黒歴史を忘れてくれます。単純に人間が多すぎるからです。逆に都会育ちの人間が田舎に出向いても、田舎でのふるまい方をわからないために、大恥も隠し迷惑もかけるでしょう。ただし、田舎は黒歴史を忘れてはくれません。人間の数が少なく、そのような黒歴史は共同体という社会システムに記録されてしまうためです。そしてその「前科」は、その田舎に住み続ける限りは一生ついて回ることになります。返済不能の借金を背負うようなものです。

 

 田舎の悪口を書いていると取られても仕方ないのですが、これは単純に社会システムの違いでしかありません。都会は市場経済に、田舎は共同体に生活基盤を依存しています。田舎の濃密な共同体しか知らずに育った人間にとっては、都会の「全てに値段が付く」という市場経済の論理は、人間性を欠いたうすら寒いものに感じられるでしょう。

 

 

 田舎と都会のいいとこどりと、「新しいスローライフ

 田舎が住みにくい理由は、「共同体が濃密すぎる」という事が大きな要因です。他にも病院や商業施設が近場に存在しないことや、交通の便が不便な事、そもそも仕事が存在せず経済的に不安な事、なども挙げることができます。逆に、都会が住みにくい理由は、人間が市場経済の論理が強すぎることがあげられます。家賃が異常に高いだけでなく、「人材価値」や「キャリア」といったものに精神をすりつぶしてしまい、人間関係も希薄になりがちという事があげられるでしょう。「自然を感じられない」というのも大きいかもしれません。

 

 そのような田舎と都会の短所を一気に補ってくれる場所が存在します。それは「駅近ワンルームが3万円で借りられる地方都市」です。東京で生まれ育った人には想像もつかないかもしれませんが、地方には築年数が比較的浅く、生活スペースも十分にある駅近ワンルームが3万円で借りられる物件が普通に存在しています。例えば大阪府枚方市はそのような物件があり、そして枚方市から大阪の中心部の梅田には電車で30分から40分ほどで行くことができます。まあ枚方は十分に「都会側」なのですが。

 

 枚方のような地方都心に近い場所であれば、ちょっと通勤時間を我慢すれば時給のいい仕事はありますし、今時流行りのウーバーイーツで収入を得ることもできます。これで経済面での問題はおおむね解決します。また、「人間の温かみを感じたい」というのであれば、その辺の個人経営の飲食店に何日か通えば解決するでしょう。「自然を感じたい」のであれば、兵庫県の須磨のような海辺の街や、京都府の宇治のような山のふもとに住めば解決します。

 

 そしてそんな生活の強い味方が「原付二種(125㏄のバイク)」です。原付二種の免許は最短二日で取得できますし、維持費も車や大型バイクより抑えることができます。通常の原付と違って時速60キロまで出せるので走りやすく、都市圏内で一般道を乗り回すには最適な車種です。休日はゆるゆるとツーリングをすれば田舎に出向いて田園風景を眺めることもできます。欠点は高速道路に入れないことですが、地方都市の都市圏内を生活基盤にするならば、高速にのる必要はありません。

 

 このような、家賃が低い土地に家を借りて、原付二種を乗り回す生活を、「現実的なスローライフ」として考えてみてもいいのではないでしょうか。個人的にはまだその選択をする予定はありませんが、「現実的なスローライフ」にはかなり憧れています。

 

 海辺や山沿いの地方都市で原付二種にまたがり、ウーバーイーツやアルバイトをしながら気楽に暮らして、仕事が終われば個人経営の飲食店で常連客と騒ぐ日々というのは、都会と田舎の良いところどりの「スローライフ」といえるのではないでしょうか。

 

収入を得る手段と、住む場所について

 その土地で正社員の仕事を得られるのであれば、それに越したことはないのですが、アルバイトで暮らすという選択肢もあり得ます。若い男性であれば、経済危機でバイトの口も少なくなっているとはいえ、派遣や単発の仕事は探せばいくらでも存在します。さらに原付二種を持っていれば多少遠い勤務先でも出勤可能なため、家賃が安い場所に住んで、時給が高い場所で働くことが可能になります。女性であっても、ウーバーイーツ、警備員、その他アルバイトを選ぶことができます。

 

 ちなみに警備員はおすすめのアルバイトです。基本的に警備員は高齢者ばかりなので、40歳以下でまともに動ける人間はそれだけで重宝されます。また、所属する警備会社にもよりますが、警備員として登録した後は、毎日出勤するのではなく、入りたい日にシフトを入れるという、単発バイトに近い働き方ができる場合もあります。

 

 単発バイト、警備員、ウーバーイーツなどに収入の先を分散しておけば、どこかのバイト先が潰れてもすぐに生活に困ることはありませんし、何よりも「バイト先に足元を見られる」という事を回避できます。特定のバイト先に経済的に依存してしまった場合、交渉力が低下して不利な時給やシフトを飲まされることがあるのですが、それを回避するわけです。

 

 そしてアルバイトで「守りの収入」を得る一方で、ブログやユーチューブなどを使った「ワンちゃん狙いの攻めの収入」を狙うのも効果的だと思います。地方都市独自の魅力を発信したり、新たなスローライフという形で発信したり、単純に趣味を発信したりなどです。ブログやユーチューブで稼げるのはほんの一握りですが、掛け金はほとんどかからない一方で、もしも跳ねた場合はかなりのリターンが得られるという意味で、悪い賭けではありません。

 

 そして、「地方都市で原付二種を乗り回すという現実的なスローライフ」が実践できそうな条件として、「人口100万人以上の地方都市に1時間以内でつくことができる」があります。理由は単純で、人口100万人以上の都市であれば十分な働き口があるからです。また、それほどの規模であれば商業施設もそれなりに充実していて、東京ほどではないにせよ、文化的な暮らしにつながることができます。

 

 基本的には政令指定都市の近くを選べば問題はないでしょう。因みに西日本の政令指定都市は、大阪市堺市京都市、神戸市、岡山市広島市小倉市、福岡市、熊本市、です。そしてそれら政令指定都市から10キロから20キロも離れれば、駅近ワンルームが3万円台、中には2万円台で借りられる物件がゴロゴロ存在しています。また、地方都市は食品産地から近く、食料品を安く手に入れられる場所もあります。

 

 細かく「この街がおすすめ!!」というのを列挙していったらきりがないので、ここでは具体的な街をお勧めすることはしませんが、政令指定都市から半径20キロメートル以内には確実に「駅近ワンルームが3万円で借りられる街」が存在します。そういった街を地図上で探して、そこでの生活を想像するだけでなんだかワクワクしてきます。

 

 「田園風景広がる田舎でのスローライフ」は、田舎の濃密な共同体で生き抜く必要があります。東京では家賃に収入の大半が消えてしまいます。自然豊かな地方都市の郊外で、快適で安いワンルームを借りて、原付二種を乗り回す「スローライフ」であれば、まだ実現可能だと思うのです。

 

 

 

海街diary

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