心頭滅却すれど火は熱し

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大企業正社員は、現代の下級中級貴族なのではないか

こんにちは、カラマゾフです。

 

現在の日本では、じわじわと広がってきた格差がそろそろ限界を迎えようとしている観があります。池袋での交通事故の容疑者(元官僚)に対する苛烈な突き上げや、N国党などの過激な政党が議席を獲得したことなどにも、格差拡大による不満の増大が見て取れます。

 

そんな中、経済的困窮からは(現時点では)遠いところにいる人々が存在します。大企業の正社員、中でも総合職の社員たちです。彼らは額面の給与こそ大した金額には見えない場合であっても、家賃補助をはじめとした福利厚生が手厚く、中には一年目で100万円以上を貯金できる場合もあるそうです。

 

とはいっても、そんな大企業の正社員であっても、決してこの先安心できるわけでもないというのは、よく言われていることですが。

 

そして、そんな大企業の正社員、特に総合職の人々を見ていて思ったことがあります。

「大企業の正社員は、現代での貴族階級といえるだろう。とはいっても、上級貴族というよりは、下級から中級貴族にすぎないけれど」

といったことです。大企業という定義はあいまいですが、東証上場一部の企業や、伝統ある日系大企業を想像していただければいいと思います。

 

今回は、そのことについて書いていきます。

 

「学力≒教養」と「洗練された立ち居振る舞い」を身についている、どことなく貴族的な雰囲気のある人々

大企業の正社員になるためには、それなりに勉強しなければなりません。最低でも、マーチや関関同立、地方国立大といった大学に入学できる学力が無ければ、そもそも大企業の門をたたくことはできないでしょう。できれば旧帝国大学早慶の受験を突破することが望ましいです。

 

「学歴は関係ない。人物重視だ」と言う人もいますが、大企業の多くは学歴フィルターといって、就活で選考を希望する学生を学歴で選別しています。

 

そして、大企業の眼鏡にかなう大学に入学するには、それなりの学力を身につけなければなりません。進研模試では、偏差値が60を超えたあたりから国立大学やマーチ関関同立といった大学の合格可能性が見えてくると言われています。進研模試はほとんどすべての高校生が受験する模試であるため、同世代の中でどの程度の学力があるかを最も把握しやすい模試です。

 

そして、偏差値60というのは上位16%ほどの位置にいることを表しています。つまり、大企業に入るには、大体の場合において「同世代の中で上位16%以内に入る学力」を身につけなければならないと言ってもいいでしょう。

 

(偏差値と上位の割合については、こちらのサイトがわかりやすいです)

komoriss.com

 

そして、「学力」という言葉は、「教養」という言葉に置き換えることも(無理やり感は否めませんが)できます。日本語だけでなく英語を読みこなす能力や、歴史や政治経済への知識、理数系の知識を網羅してこそ、上位16%の学力を手に入れることができますが、それは教養と言っても差し支えないでしょう。実際に、難関大学の学生とそうでない大学の学生では、「難しい話」への食いつきはかなり異なってきます。

 

そして、そのように同世代で(最低でも)上位16%の学力を身に着けた学生が、大企業の選考を受けることができます。そして、そのような学生たちは「就活」のなかでふるい落とされていき、その中でも立ち居振る舞いや言動がそこそこ優れている学生が面接などを突破して、晴れて大企業の内定を得ることになります。

 

つまり、大企業の正社員となれるのは、「上位16%以上の学力≒教養」と、「洗練された立ち居振る舞い」を両立している学生だけなのです。そう考えると、大企業の正社員は「貴族的な人々」といってもさほど違和感がなくなってきます。昔から貴族に求められていたのは「教養」と「マナー」ですが、その二つを持っているのが大企業の正社員なのですから。

 

実際に、大企業の正社員の人たちは、それなりに貴族的な雰囲気を発していることが多いです。それらは教養や立ち居振る舞いなどだけではなく、「経済的に恵まれていること」も、大きな要因になってきます。

 

経済的にはそこそこ恵まれているものの、経済的基盤はそれほど盤石ではない

 大企業の正社員は、経済的にはそこそこ恵まれています。社宅や家賃補助などを活用して、ただ同然の家賃で生活していることがありますし、そういった補助がなくとも、平均的な給与は他の中小企業と比べて恵まれたことが多いです。

 

そして、大企業の正社員は経済的に恵まれているために、それなりに質のいいスーツと靴を身に着けています。また、美容院に通ってヘアスタイルを整え、私服も質のいいものを取り揃えていることは珍しくありません。特に女性の場合はこの辺が顕著になる気がします。

 

経済的利点を生かして「身ぎれい」な状態を保っている彼らは、やはり貴族的といってもいい雰囲気を醸し出している場合が多いです。

 

そして、経済的に恵まれていることは、恋愛市場や結婚市場でも有利に働きます。家庭を持って子供を作ることは、もはや贅沢品ともいえる状況になっている現代において、彼らはなかなか恵まれた状況にいると言ってもいいでしょう。

 

しかし、彼らの経済的基盤は決して盤石ではありません。経済環境の変化によって所属企業の業績が悪化すれば、簡単にリストラされてしまいます。最近では、損保ジャパンの実質的なリストラスキームが話題になりました。

www.mag2.com

 

そういった経済的基盤の弱さという点に関しては、大企業の正社員はさほど恵まれているわけではありません。私が彼らの事を「下級貴族」「中級貴族」とたとえたのも、そういった経済的な基盤の弱さがあるためです。彼らは確かに恵まれた立場にはいますが、「もっと上の人のさじ加減一つ」で、簡単に経済的困窮に追い込まれてしまう、案外弱い立場の人々なのです。

 

「人生の脆弱性」に関しては、決して恵まれているというわけではない

 経済的は恵まれていても、経済的基盤については決して恵まれていない大企業の正社員の人たちですが、彼らは「人生の脆弱性」という点については、普通の人々と同じように常に危険にさらされています。

 

会社の命令1つでへき地に転勤する場合もありますし、結婚して共働きの場合は単身赴任か配偶者が退職するかを選択しなければなりません。また、マイホームをローンで購入したとして、隣人が「厄介な人」だった場合も、簡単に家を買い替えるわけにもいきません。何より、パワハラなどの職場トラブルで退職を余儀なくされる場合もあります。

 

大企業正社員の人々の人生は、意外なほど「脆弱性」が高いのです。そして、いったん大企業正社員という立場を失うと、意外なほどあっさりと没落してしまいかねません。元大企業正社員というだけで高給で雇ってくれるような、のんびりとした会社はおそらくほとんど存在しないでしょう。大半の企業にしてみれば、大企業をリストラされた30代40代の中年よりも、フレッシュな新卒を採用して育てる方が効率的だと判断するはずです。

 

そういった意味では、大企業正社員の彼らは確かに貴族的な雰囲気を持っていても、「最上位の階層」だとは言えないでしょう。あくまで、下級貴族、中級貴族と捉えるのが適切なのではないでしょうか。

 

結局は彼らも株主への配当や地主への地代を稼ぐための奴隷や傭兵でしかなく、真の「最上位の人々」というのは、地主や大株主などの資産家なのでしょう。不労所得で生活する資産家の人々は、まさに現代における本物の上級貴族と言っていいのかもしれません。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。カラマゾフでした。

 

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